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不完全犯罪 〜問題編1〜

     1

「それはできないな」
 イスにどっかり座り、背もたれに体をうずめながら葉山九三郎は言った。
 葉山は重い一言を持つ男としてミステリー界に身を置く男だった。
 デビュー時から彗星の如く現れた新人と呼ばれ、出版される小説は必ずヒットすると言われていた。
 ところがここ何年かは小説を書かずに評論のみに徹しており、その評論は辛口として知られていた。
 気に入らないと思えばその旨を評論として放ち、数々の新人作家が葬られていった。
「確かに私がそれなりの評論をし、出版までこぎ着ければ『それなりには』売れるだろう。だがそれが何になるというんだね?」
 嘲笑混じりに言いながら葉山は紫煙を吸い込んでは吐き出した。
「つまり君の作品は『それなり』の出来栄えでしかない。華がないんだ。わかるかね?」
 ひとしきり吐き終えた煙に目を遠くしながらタバコをもみ消している。
 ちょうど腿くらいの高さにあるガラステーブルの灰皿には丘のようにタバコが折れ曲がって入っている。
「作品にとって君の名で発表することは悲劇以外の何物でもない。ところがどうだね? 私の名前で発表された数々の作品は。君の名では得られないだけの賞賛が降り注いでいるじゃないか」
 訴えかけているのか、馬鹿にしているのか小首を傾げながら私の顔を覗き込んでいる。
「何も答えられないと言うことは自分でも解っていることだろう? 君が作り上げた数々の作品が私の名でもって皆の支持を得ていることも」
 イスを回転させ私に背を向けて大声で笑っている。
 人としての感情が欠落しているのだろう。
「君が『神谷みずえ』の名で発表したいというなら好きにするがいい」
 背を無防備に見せながらタバコに火を付けようとしている葉山が投げやりに言う。
 私は音を立てないようにテーブルの灰皿を手に取り両手で頭上にかざした。
 優勝カップを皆に見せびらかすような格好だ。
「だがその時点で君の作品は死……」
 相応しい言葉を吐いた所で私は奴の言葉を切り捨てた。
 振り下ろした灰皿が鈍い音を立てて葉山の後頭部にめり込んだ。
 丘だったタバコは散り散りに床へ落下している。
 葉山は低くうめき、デスクに顔をうずめた。
「ぅぅ……」
 声がまだ漏れている。
 醜い声を消し去るように私はもう一撃同じ場所に灰皿を振り下ろした。
 先ほど以上に後頭部にめり込んだ大理石の灰皿は、葉山の血を一身に浴びて赤黒くなっている。
 大物ミステリー作家の最期の言葉は「ぅぅ」と短いものになった。
 一瞬の痙攣を見せた葉山の体は、誰かに操られない限り動くことのない肉の塊になっていた。
 灰皿を床に降ろして私はデスクの原稿に目をやった。
 数百枚の原稿が一つの束になりキレイに葉山の脇に置かれていた。
 血しぶきは原稿にはついていなかった。
 私の愛する子供とも言える作品。
 醜い男の血液が着いていないことがやけに嬉しかった。
 それでも作品の一番上に覗いているサインに私は苛立ちを覚えた。
  『不浄の街』
 私が名付けた子供の名前。
 端正なPCで綴られたその脇には『葉山九三郎』とミミズがのたくったような直筆サインが加えられていたのである。
 私の手は駆られる衝動を抑えきれず原稿へと伸びていた。

     2

「神谷さん、こっちですよ」
 手招きしているのは大学時代の友人の塚本浩二だった。
 人懐っこい笑みを浮かべる塚本は細長い腕をヒラヒラとさせている。
「ごめん、遅れちゃって」
「気にすんなって」
 紳士的にイスを引き、私をエスコートしてくれる。
 私も軽く会釈だけしてイスに座ると、見計らったようにボーイがメニューを携えて私の脇で止まった。
 差し出されたメニューから適当なものを指さし注文を済ませるとボーイは決まった角度に体を曲げて立ち去っていく。
「乾杯しようか」
 私が来るのを待っていたグラスにワインを注ぎ終えると塚本が言う。
 くびれたワイングラスの足に手を添えて硬質な音を小さく立てるように塚本のグラスと合わせる。
「乾杯」
 お決まりの言葉の後に一口だけワインを含んで私はグラスをテーブルに置いた。
「最近仕事はどう?」
「順調……かな。今日も先生の所に原稿をもらいに行く予定ではあるんだけどね。夜も遅くに行かなきゃ行けないのが憂鬱だけどさ」
 苦笑いを浮かべながら塚本はグラスを口元に運んでいる。
「担当ってツライのね。自分の時間なんてあってないようなものでしょう」
「それが仕事って言えばおしまいなんだけどね。正直なところはツライね」
 目尻にシワを作り塚本は笑みをこぼした。
「俺もそうだけど、神谷さんだってそうじゃないか? 原稿が上がってくるまでは仕事に取りかかれないんだろう?」
「う〜ん、確かにそうかも」
 私も塚本に習って同じように微笑み返して見せた。
 偶然というか、塚本と私は同じ世界に関わる仕事をしている。
 塚本はH出版社に勤務しており、作家から原稿を受け取る編集員を生業にしている。
 私は作家が書きげる作品の『挿し絵』を描くことを生業にしている。
 何が偶然と呼べるのかというと彼が担当している作家の挿し絵を私も担当しているのだ。
「葉山先生は時間お構いなしに呼び出してくるからね。いつ連絡が入るかが常に頭の端っこにいる状態だね」
「それから考えれば私は楽なものよ。あなたが確認した原稿を受け取ってからの仕事だから、おかしな時間に連絡が入ることはないもの」
「でも今日はそんな事はないよね。俺と同じ時間に先生の所へ行かなきゃいけないんだから」
 塚本の言うとおり、今回に限って私は同じ時間に葉山の元へ行くことになっていた。
「『23時に来い』なんて理不尽も一人で行くより二人の方が気が紛れてこっちとしては助かるんだけどね」
「私にとっては良い迷惑だったりして」
 顔を見合わせてお互いに笑った。
 私はカバンから携帯電話を取り出して開いた。
「まだ21時だけど、あの大先生のことだから早く呼び出されることもあるかも知れないわね」
「それは御免こうむりたいね。ディナーをとってからにしてほしいもんだ」
「そうね……」
 私が塚本に答えるとほぼ同時に電話がかかってきた。
「噂をすれば先生かい?」
「……ではないわね」
 携帯の液晶に映し出されたのは私の恋人からだった。
「ちょっとゴメン」
 一言だけ残すと塚本は「どうぞどうぞ」とだけ言った。
『まだ怒ってるのかよ』
「別に……私には関係ないことだから。で、何の用?」
『謝るからさ。勘弁してくれよ』
「今取り込んでるの。そういう話は私が暇なときにでもして。じゃあね」
『あ! おい、ちょ……』
 浮気をした彼の言葉に聞く耳など立てる必要はない。
 私はコールを切断し、二つ折りの携帯を閉じた。
 タイミングの悪い男だ。私にどれだけ迷惑をかければ気が済むのだろう。
「喧嘩中の彼氏からかい?」
「……まぁね」
「野暮だったね、申し訳ない」
 テーブルの端に両手をついて土下座風に塚本は頭を下げている。
「いいのよ。自業自得なんだから。放っておけば」
 少し嫌な空気が漂ってきたが、それを払拭するようにボーイが料理を運んできてくれた。
 湯気を立てたリゾットの皿を私の目の前に置くと先ほどと同じ角度に腰を曲げてボーイは再び去っていった。
 決まった角度とは言えある種の芸術を感じる角度に思えてしまうから不思議だった。
 携帯をテーブルに置いて私はリゾットの皿を引き寄せた。
「怒りをおさめて、空腹もおさめなきゃね」
 私が少しおどけてみせると塚本は笑みをこぼしながら「それがいいね」と笑顔で反応する。
 本当のところ、私の気持ちはリゾットや彼氏どころではない。
 それを悟られないように「いただきます」とスプーンを手に持つと塚本は先ほどと同じく「どうぞどうぞ」
 リゾットを口に入れて口中に味を染みこませようとするが、味の感覚などを楽しんではいなかった。
(もう少しのはず……)
 私の心を読むかのように携帯が再び電話に出るように急かしたてた。
 携帯を開いて液晶に目を馳せる。
「先生からだわ」
 塚本に告げると「あらら、呼び出しか」と気の毒そうな顔を見せる。
「はい。今からですか? はい、それじゃあ22時を過ぎた辺りに着くと思いますので。はい、急いでいきます。はい、失礼します」
 短めに話を切り、私は携帯のコールを終えた。
「せっかくリゾットを口に運んだのにね」
「いいじゃないか。それを食べ終えてから向かっても。せっかくなんだし」
 私の言葉を受けるように塚本がイタズラをする子供のような顔になる。
「……そうよね。せっかくだもんね」
 勝負はこれからだから。
 私は笑みを返して見せたが、塚本に心中は読み取られないようにだけしてリゾットを再び口へ運んだ。

     3

 時刻は23時を少し過ぎていた。
 今日配属されたばかりだというのに、先輩はまだ来ていない。
 刑事として私の初めての殺人事件現場だった。
 初めてというのは本当は少し違う。
 研修として現場に入れられたことはあったからだ。
 正確に言うなら刑事として正式に警察署に配属されてから初めての殺人現場ということになる。
 新米刑事の私が一人でこんな所に来ても右往左往するだけだというのに、私の補佐役の先輩刑事はまだ姿を見せなかった。
「あの……」
 第一発見者の塚本浩二という背のひょろ高い男が声をかけてきた。
「は、はい!」
 恐らく私の声は裏返っていただろう。恥ずかしいったらない。
「俺と彼女はどうしていれば良いんでしょうか……?」
「あ、あと10分くらい待ってもらっていいですか?」
 と口にしてはみたものの、同じ事をつい10分前にも言っている。
「はぁ……。だってさ神谷さん」
 塚本は脇にいる女性にため息混じりに伝えている。
 神谷と呼ばれる女性は悔しいながら私より遙かに美人であった。
 薄く化粧をしているだけなのにそれでも目鼻立ちがしっかりしていて、服のセンスもいいと来ている。
「すみません……。お時間取らせてしまって」
「いえ、事が事ですから。お気になさらずに」
 気を遣った笑みを神谷は私に向けた。
 殺人現場で刑事が気を遣われてどうするのよ……。
 それもこれも私の補佐役の真鍋篤という先輩刑事のせいだった。
「タバコが切れたから買ってくるわ。先に現場行ってろ」
 なんて無責任なことだけ言って私を現場に向かわせたのだから。
「それなら私が買いますから、待っててくださいよ」
「馬〜鹿。現場に誰か先に行ってなきゃいけないだろうが。それにほら、俺は……」
 っと。回想とはいえ先のセリフを思い出したくもない。
 相手を女と思って発言してないような態度に腹が立つ。
 どうしてあんなにいい加減な人を私の補佐にしてくれたんだろう……。
 今では課長さえ憎く思えてくる。
 私がくだらない回想にふけっていると「はいは〜い、ごめんよ」と恥知らずの先輩の声が聞こえてきた。
「え〜っと。第一発見者ってどこだ?」
 膝丈ほどの黒いコートに緩めた細身のネクタイ。
 くわえタバコと手はポケットに突っ込んで真鍋は現場に入ってきた。
「ちょっと、真鍋さん!」
「んだよ!」
「現場でタバコなんか吸わないでくださいよ!」
 遅れてやって来てもお構いなしの態度に思わず声を荒げてしまった。
「怒るなっつうの。消しゃいいんだろ、消しゃ」
 小さく舌打ちしたかと思うと真鍋は信じられない行動に出た。
 現場に落ちている凶器と見られる灰皿にタバコを押し当てて消したのである。
 その光景を見た塚本と神谷は出目金顔負けに目を開いている。
「何してるんですか!」
「お前が消せって言ったんだろうが」
「現場の証拠で消せなんて一言も言ってないでしょう!!」
「じゃあ俺のタバコの跡だけ鑑識で放っておいてもらえばいいじゃん。ねぇ?」
 問いかけられた塚本と神谷は嫌悪感丸出しの顔で苦笑いをしている。
 30過ぎの大人の男がやることとは思えない……。
 警察への不信を募らせている元凶はこの人以外にはないんじゃとしか思えない。
「あ、紹介遅れました。警視庁捜査一課の真鍋です」
 まったく反省の色もないままに自己紹介を始める始末。こんな人が補佐じゃ私は一人前の刑事になる自信が全くない。
「で、おたくらが第一発見者ですよね? そうだよな、柴谷?」
 答える気さえ起きてこない。
 第一発見者に向かって『おたくら』なんて……。
「はい、私が塚本浩二です。彼女が神谷みずえさんです」
 明らかにムッとした表情と声で塚本が答えている。
「どうしてここにいるんですか?」
 もう諦めよう。
 態度を改める気のない人なのだろうから……。
「……葉山先生に呼ばれたのでここに来たんです」
「先生? どういうこと?」
 解らないんだったら聞くなよ!
 と心で叫びながら私は質問に答える事にした。
「被害者の葉山九三郎氏はミステリー作家と言うことです。それで彼らは葉山氏の編集担当などをなさっている方だそうです」
「それで先生ね。その先生? がここに来るように言ったんですか」
「……電話が彼女の、神谷さんの携帯にありまして、すぐ来るようにとのことで」
「はぁ。何時頃ですか、それは?」
「21時20分です」
「やけに詳しいですね」
「携帯に履歴が残ってましたから!」
 美人も台無しになってしまうくらい顔をゆがめて神谷が答えた。
「はぁん。じゃ、その携帯を拝見しても良いですか?」
 ふくれた顔のまま神谷は真鍋に着信履歴の画面を突きだして見せた。
 画面には『着信 21:20 葉山九三郎』と表示されている。
「おい、柴谷。この先生? 電話をした発信履歴みたいなのって解るか?」
 毎回「?」をつけなきゃ気が済まないのだろうか……。
「被害者のすぐ脇に携帯がありました。発信履歴は神谷さんの証言と一致してます」
「携帯? あそこに電話があるのにか?」
 真鍋が指さす先には据え付けの電話機が確かにあった。
「電話機まで行くのが面倒だったんじゃないですか? だから携帯でかけたんでしょう」
「ふぅん」
 いちいち癇に障る返答しかしてこない。
「じゃあ、おたくらがここに着いたのは何時頃ですか?」
「22時半過ぎじゃないですかね。詳しくは覚えてないですけど」
 神谷も返答の度に枕詞のようにため息をついていた。
 誰でもそうなって当然だろう……。
「で、この部屋の荒れようか。まさか、おたくらが現場を触ったわけじゃないよね、まさかね」
 薄く笑い声を交えながら真鍋が言うと遂にキレたのか塚本が大声を上げた。
「そんな事するわけないでしょう! 来たときから何も触ってないし、部屋はこのままでしたよ! さっきから何ですか、あなたは!?」
「す、すみません! ちょっと変なんですこの人……」
「誰が変なんだよ」
 私が言い終える前に頭を叩いてくる。
 こうでも言わなきゃ治まらないだろう。なのになぜ叩かれたか私には理解しかねてしまう。
「この刑事さんに答える気が何も起きないんですけど」
 神谷もついには不満を漏らし始める。
「そっすか。じゃあ柴谷、あとはお前きいとけ。俺はあっち見てくるから」
 不満も何のそのといった風情で背中を向けて遺体があった場所に真鍋は歩を進めていた。
「本当にスミマセン……。後でキツク言っておきますから……」
「あなたが謝ることじゃないと思うんだけど」
 鼻で笑いながら神谷は言った。
 最悪のデビューだ……。
「すみません……。聴取は私がさせていただきますので……」
「……まぁ、あなたならいいけど」
 ため息を一つついて神谷は了承してくれた。
「では改めて……。現場に来る前まではお二人はご一緒だったんですか?」
「はい。21時前に駅前のイタリアンレストランで待ち合わせをして、そこからはずっと一緒でした。ここへはタクシーで来ました」
 と塚本。
「それでここの玄関が開いたままになっていて、変だなと思って入ってみたら……」
「この書斎で葉山氏が亡くなっていたと?」
「はい……」
「葉山氏に呼ばれたとのことですが、何か急用でもあったんでしょうか? こんな遅い時間に」
「いや、元から今日の夜に来ることにはなっていたんです。書き上げた原稿を渡したいからって事で」
 入れ替わるように神谷が答える。
「原稿って、この何? ふ、フジョ、不浄の街? ってやつかい?」
 部屋の奥から真鍋が大きな声を上げている。
「真鍋さん! 手袋!」
 真鍋は『素手』で原稿をこちらに見せている。
「後で鑑識に頼んでおくって。これで間違いないですよね?」
「……た、確かに『不浄の街』というタイトルだと仰ってましたが」
 真鍋のことはどうでもよくなっている表情で塚本が答える。
「本当に、ガイシャが書いた作品なの?」
「間違いありませんよ! 先生がそう仰っていたんですから!」
「いやね、塚本さんだっけ? ここに書いてる署名がね、そっちの『神谷みずえ』って署名なんですよ」
 真鍋は握った原稿をこちらに向けた。
  『不浄の街  神谷みずえ』
「ど、どういう事なんですか!?」
「そりゃこっちが聞きたいね。どういう事ですかね、神谷さん?」
 塚本の質問を放っておくように真鍋は彼女に向いた。
 神谷は俯いていたがやがて小さな声でポツリと呟いた。
「……私の、作品です。その不浄の街は、私の作品なんです」
 突然の告白に驚いていたのは塚本だった。
「この間発表された作品も、その前の作品も、私の作品を先生が盗作してたんです……」
「ほう、こりゃ驚きだねぇ。有名推理作家が実は盗作で世間の注目を集めてたってわけか」
 全く驚いた表情も見せずに真鍋はおどけてみせた。
「いつも先生の作品には表紙の所にサインがしてあったでしょう? 本当はいつも私のサインがしてあったのよ。それを表紙だけ入れ替えて先生が発表していたの……」
「どうして。どうして言ってくれなかったんだよ! 君が書いていると一言いってくれれば、すぐに出版を見送っていたのに」
「私の名前だけじゃ……作品は売れないもの。自分の作品が誰にも読まれないのって、寂しいものなのよ」
 涙混じりに神谷はポツリポツリと言葉を繋いだ。
「まぁ、そんなお涙話は後にしてもらってね。今日の所は帰ってもらっていいです、それじゃあお疲れさま」
「いいんですか!? 真鍋さん」
「いいよ。また何かあったらお伺いしますから、ね」
「本当にすみません。また後日お伺いするかとは思いますが、よろしくお願いします」
 何か今日は謝ってばかりだ……。
 私が謝ると塚本と神谷の二人はキョトンとした顔のまま会釈だけして立ち去っていった。



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